本来は3リッタークラスのエンジンを搭載するエンジンルームに、カーグラフィック誌の表現を借りれば「PORSCHEが魔法の靴べらを使って滑り込ませた」巨大且つパワフルな5リッターV8エンジンと搭載する異端のメルセデス。
メルセデス・ベンツのフィロソフィーは"ボディファースト"。市販車にはシャシー性能を超えるような過剰にパワフルなエンジンは搭載しないことをポリシーとしてきた。特別な理由によりその鉄則が破られたのは、DTMで勝利するために生まれたW210型190 2.3-16及び2.5-16、そしW124型500Eのみ。
90年代初頭、経営が傾いてたPORSCHE社を救済するため、あえてその開発と製造を任せたメルセデス・ベンツ。
ヴァイザッハで鍛え上げられた足回りは、鬼のような剛性を誇るボディにより100%その性能を発揮し、5リッターV8ユニットが搾り出す強大なパワーを余裕で受け止め、矢のような直進安定性と卓越したコーナリング性能を発揮する。
威風堂々、250kmオーバーの平均巡航速度でライバルを蹴散らし、弱肉強食のアウトバーンを駆け抜けたW124型500E。文字通り異端のメルセデス・ベンツである。
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