1971年3月に開催された第3回IWAワールドシリーズ公式戦。
そのメインイベントにして未だ稀代の名勝負として語り継がれるカール・ゴッチ vs ビル・ロビンソン戦。
両雄ともに英国の名門レスリングスクール "Snake Pit(蛇の巣)出身のレスリングエリート。先輩後輩の仲であり、お互いの手の内は知り尽くしている。
その試合は男と男が力の限りぶつかり合う、ショー要素なしのセメントマッチ。
それはまさに古代ギリシャ時代に開催されたオリンピアードで、全裸の男同士が全身にオリーブオイルを塗り戦ったパンクラチオンを源流とする究極のストロングスタイルであった。
プロレスとは、相手の9割の力を引き出し、10割の力で勝つ武士道スポーツである。