1984年の11月10日~11日の日程で開催された ' オールスター・ラリー in KANSAI ' 。
この時代、主力マシンはなんと言ってもAE86。
4A-GEUの吹け切ったエキゾーストノートが林道に木霊する。
すでに時効だから言えるが、エンジン音を聞いても分かるように、実はフルチューン(爆)。
「藤原とうふ店」のGr.A仕様ほどではないものの、軽く9000rpmまでは回っていた。
この時代、桜井幸彦選手が「チーム・レチウス」、井上潔選手が「城西歯科大学」でエントリーしているのも懐かしい。
桜井 VS 井上、ともに城西大学出身にして良きライバル。
敢えてややアンダー目のセッティングとし、コーナー進入時に得意のフェイントで一気に向きを変えるいわゆる「桜井走り」で駆け抜ける桜井幸彦に対し、ニュートラルなセッティングで最速ラインをフラットアウトで駆け抜ける ' バルブサージング井上 ' こと井上潔。
もちろん二人とも、この頃からキャロッセ軍団の一画を成していたことは言うまでもない。いわゆる「群スペ=群馬スペシャリスト」である。
しかし、注目すべきはなんと言ってもゼッケン一番の綾部美津雄、ゼッケン2番の神岡政夫、そしてゼッケン3番の後藤正和のトップ3。
綾部美津雄のコーナリングテクニックはまさに ' 神 ' 。進入からクリップそして脱出まで、憎たらしいほど完璧だ。' ラリー界の鵺(ぬえ) ' の異名は伊達ではない。
神岡政夫のリズミカルで踊るようなコーナリング。独特のステアリング操作(神岡送り)から繰り出される絶妙なマシンコントロールは芸術的。
前ゼッケンの二人を追って激走を見せる関西スペシャリスト後藤正和。そのキレた韋駄天走りから、このラリーにかける後藤の執念と気迫が伝わってくる。
クルマも役者(ドライバー)も揃ったこの時代の全日本ラリー選手権、最高に面白かったな~。