ページ

2012年1月3日火曜日

日本初のターボ搭載車 ' 日産430型セドリック '


1979年10月、日本初のターボ搭載車第一号である日産の430型セドリックがデビューした。

SOHC6気筒2000ccのL20E型に、ギャレット・エアリサーチ社のターボチャージャーを装着したL20ET型エンジンで、145PS/5600rpmの最高出力と、21.0kg-m/3200rpmの最大トルクをそれぞれ絞り出した(ともにグロス)。

因みに、このエンジンは今思えば「ポン付けターボ」いわゆる「ボルトオンターボ」に近い感じの仕上がりだった(笑)。L型エンジンは元々頑丈なエンジンなので、厚手のガスケットをかまして圧縮比を落とし、過給圧を低めに抑えればそう簡単には壊れない。とりあえずターボを装着するには最適なベースユニットだ。もちろん、インタークーラーも装着されていない。

何しろ、この当時は監督官庁である運輸省が厳しくてスポーティーなモデルでは認可が下りなかったのだ。

そのため日産は敢えてアッパーミドルクラスであるセドリックにターボエンジンを搭載したのである。

430系にはSOHC6気筒2800ccのL28E型を搭載車もあったが、L20ET型は2000ccの排気量ながら、上級クラスのパワーユニットに迫るパワーとトルクを発揮した。まさにターボマジックである。

デビュー当時、知り合いの社長がターボ搭載モデルである200Eターボに買い替えた。200EにははOD付きフルロックアップ4速ATと5速マニュアルの二種類のトランスミッションが用意されていたが、その社長は走り屋なので5速マニュアル車を選んだ。そのクルマを東名で運転させてもらった。

80kmから100kmからの加速は同クラスの国産車とは段違い。大柄だがボディが比較的軽いこともあり、4速あたりからアクセルを踏み込むと、まさに一気呵成の加速を見せる。現在のターボ車から比較すれば、決して怒涛の加速とは言い難いが、やはりNAのL20E型エンジンとは全く次元の違く加速感だった。

惜しむらくは、タービンの性格がおとなし目で過給圧も低いのためターボラグが大きく、アクセルレスポンスは悪かった。5速マニュアルよりも4速ATの方がエンジン特性にマッチしていたように思う。

さらに、ボンネット内部のベンチレーションに難があり、ターボが発する熱気が籠りやすく、熱ダレによるパワーダウンが早かった。これはインタークーラーが装着されていないことにも関係している。

すべては当時のレベルなので現代の基準から見れば未完成な部分ばかりが目立つが、日本初のターボ搭載車を世に送り出した日産の功績は高く評価されるべきだろう。