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2012年4月24日火曜日

チューニングの基礎知識 「コンピューター」


コンピューターに関するチューニングは、エンジン本体とはまったく別に行うことができる。つまり、シリンダーヘッドやシリンダーブロック部分などに手を加えることなく、コンピューターによる制御機能だけを変更することで、エンジンの性能をアップさせることが可能なのだ。

ノーマルエンジンは、パワーを重視したセッティングだけではなく、燃費に対する配慮もなされている。コンピューターのチューニングを行い、ここで制御されている省燃費領域を無視し、パワーを重視した制御機能を持たせる方法で、エンジン本体系に手を付けずパワーアップを行うことも可能だが、このチューニングアップ効果はそれほど大きくはない。

コンピューターチューニングの能力を十分に生かすのであれば、エンジン本体のチューニングを行ったうえで、そのエンジンチューニングに見合った制御機能を備えたコンピューターを使用すべきである。

コンピューターは、吸入空気に対する燃料の量や噴射時期、アクセル開度とエンジン負荷状態の相互関係を考慮した燃料噴射量、ノッキングの発生を考慮した最適点火時期の設定等々、エンジンに関する多くの制御を行う能力を備えている。したがって、エンジン本体の機構に手を加えた場合には、必ずコンピューターチューニングが必要になる。そして、エンジン本体系のチューニングを加味したコンピューターチューニングを行うことにより、エンジン本体で行ったチューニングの効果を十分に発揮できるのだ。

コンピューターのチューニングは、コンピューター内に組み込まれたロムの内容を変更することで可能になる。だが、一般のユーザーが自分でロムライターを使用してロムの書き換えができるほど簡単ではない。仮にノッキング領域のセッティングを間違えたり、高負荷時の混合ガスが薄すぎたりすると、かなり簡単にピストンやバルブが溶けるエンジントラブルに発展しかねない。

チューニング用コンピューターは、エンジンの基本を十分に理解しているチューナーが行ったものを使用し、できることなら、エンジン本体のチューニングとコンピューターチューニングは同じショップで行うべきである。