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2011年8月29日月曜日

チューニングの基礎知識  「クラッチ」


クラッチディスクは、ノーマルタイプの摩擦材を使用し、ダンパースプリングやフリクションプレートといった、ねじれや回転ショックの影響を受けるパーツを強化したものがチューニング用のパーツとして設定されている。

ディスク本体をメタル製にしたタイプもあり、ノーマルタイプの摩擦材を使用した強化クラッチディスクやシングルタイプのメタルクラッチディスクは、ノーマルのクラッチカバーやフライホイールと組み合わせて使用することもできる。メタルクラッチとしては、2枚、3枚のディスクを使用したタイプもあり、このタイプは、フライホイールやクラッチカバーまで専用品を使用することを前提とした構造になっている。

クラッチは、フライホイールとクラッチディスク、プレッシャープレートによって成り立っているが、プレッシャープレートは、クラッチペダルの操作によって作動するダイヤフラムスプリングと一体状態の、クラッチカバーというパーツとして設定されている。

強化クラッチカバーは、プレッシャープレートのスプリングが強化されている。プレッシャープレートは、クラッチディスクとフライホイールに圧力を加え、3つのパーツを圧着する作用をもつ機構であるため、圧着力が強いほどクラッチ滑りに対する安心度が高くなる。

しかし強化クラッチカバーは、クラッチの操作性となると、やや辛い情況が発生する可能性がある。強化クラッチカバーのスプリング力は、クラッチペダルの操作力に影響を与えるため、渋滞路の走行などでは、操作力の重さが身にこたえるかもしれない。

強化クラッチディスクや強化クラッチカバーは、ノーマルエンジン状態でのクラッチに対する耐久性を向上させるのが目的ではなく、あくまでもエンジンのパワーがアップしたことへの対処として使用するパーツだと認識するべきである。強化クラッチディスクや強化クラッチカバーであっても、半クラッチ状態での滑りはノーマルと変わらないし、半クラッチを多用すればノーマルパーツと同じような情況で磨耗する。

また、メタルクラッチはノーマルクラッチディスクの強化タイプに比べ、スタート時のクラッチ接続に余裕感が少ない。極端にいえば、半クラッチ状態は存在しないようなフィーリングになるため、一般道路での使用には不向きな面があるし、クラッチ操作がスムースになるまでには慣れが必要である。









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