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2011年8月26日金曜日

チューニングの基礎知識  「吸・排気系」


エンジンの吸入系統はエアクリーナーからスロットルバルブ、インテークマニホールド、インテークバルブまで、排気系統はエキゾーストバルブ、エキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプ、マフラーまでがおおよその経路である。

吸入系はシリンダーの中に入る空気をできるだけ多く入れることが目標で、排気系はエンジンの排気に加わる圧力をできるだけ少なくすることが目標になる。

エンジンには、シリンダーが備えている吸入空気量の約80%程度しか吸入されない。残りの20%ほどの空気を、いかにエンジンの中に吸入できるかが、吸入機構チューニングとしての課題である。

NAエンジンに対するもっとも強力な吸入系チューニングは、ターボを装着することである。ターボはエンジンの中に入る空気を強制的に押し込む機能があるため、これを使用すると100%以上の空気を送り込むことができる。

エンジンの中に最終的に送り込まれるのは空気とガソリンの混合ガスだが、エンジンのチューニングとしては、エンジンの中に空気を入れることが目標。ガソリンのほうは、キャブレター方式であれば大きなジェットを使用することで増量することができるし、インジェクション仕様エンジンであればインジェクションノズルの変更やコンピューターの制御内容を変更することでガソリン量を増大させることができる。だが、NAエンジンの中に入る空気量は、エンジン本体が備えている吸込能力を大きくすることでしか多くすることができない。

エンジンの中に入る空気の通路にはエアクリーナーがあり、インテークマニホールドとシリンダーヘッドの接続部分には段つきがあったりすることもある。また、インテークマニホールド以降、シリンダーヘッドのインテークポートにも空気の流れを阻害するような曲がりがある。このような部分で発生している空気通路の抵抗を地道に解消していくのが、インテーク系統のチューニングということになる。

排気側も基本的には吸入機構と変わらない。エキゾースト機構には、排気の音を低減させるためにマフラーが装着してある。このマフラー部分を流れる排気の抵抗を減少させると同時に、排気音を規定値内に収めることを自己流の改造で行うのは、なかなか難しい。したがって、マフラーやエキゾーストマニホールドなどは、それぞれのエンジンに専用設定されたパーツを使用する方法が一般的である。