2011年8月28日日曜日
いまさら聞けないドラテク基礎の基礎 「シフトワーク」
マニュアル車にとってシフトワークは切っても切れないテクニックの一つだ。「シフトワークなんてクラッチ踏んでギヤを入れ替えるだけ」などと思っていると痛い目にあう。実は意外に奥が深いテクニックでもあるのだ。ここでいうテクニックは、単にシフトレバーの動かし方をいっているのではないので、誤解しないでいただきたい。
さて、シフトレバー自体の操作は誰でもできる簡単なものだ。例えば左前が1速のH型シフトパターンを持つ車種なら(現在はほとんどがそうだろうが)、1から2速へのシフトアップは左手の手の平を外側に向けながらレバーを握り、2から3速なら逆、という具合に、教習所で習う方法でまったく問題ない。
ここで問題となってくるのは、ステアリング同様、シフトアップ、ダウンともに、いかに ' すばやく ' 、' 正確に' シフトできるかということ。加えてシフトタイミングをどうするかということだ。
MTの場合、ATミッションとは異なりシフトチェンジには必ずクラッチとの連携プレーが要求されてくるので ' すばやく正確に ' という要求項目のなかにはクラッチワークも存在しているのだ。スポーツドライビングで初心者が犯しやすいミスが、クラッチとうまく連携せずに「ガリッ」という異音を発生させながらシフトしてしまうこと。
MT車で加速している時、速く走るためには駆動をカットしている時間は限りなく少ないほうがいい。つまり、クラッチを切っている時間もできるだけ短いほうがいいのだ。だから、そこでクラッチを素早く切ってシフトしようとすると、焦りから足と手のタイミングが合わなくなってしまうわけだ。
理想はクラッチを踏み込むのと同時にシフトを抜くのがベスト。ギヤは駆動がかかっていなければクラッチを踏まなくとも抜くことはできる。ただ、次のギヤに入れる際には、ちゃんとクラッチは踏んでいなければならない。
最初からそのような電光石火のシフトは誰だって無理。多少時間はかかっても、確実にシフトすることが大切。そうすれば、徐々にシフトするスピードも速くなっていくはずだ。もちろん、これはシフトダウンでも同じ。焦らずにトレーニングを重ねることが大切だ。
また、シフトタイミングについては、全開で走りたいなら必ずリミッターが効くまでエンジンを回してからシフトすること。日頃街中を走っていると、どうしてもそこまでエンジン回転を使い切ることなどないので、いざサーキットなどで全開で走ろうと思っても、なかなか回しきることができない。
最初のうちはタコメーターなど見る余裕もないだろうが、今のクルマは必ずエンジンの過回転を防ぐリミッター機構が装備されているはず。リミッターが効くまでとにかく回し、それからシフトアップするように心がけるといいだろう。