2012年8月2日木曜日
マクミランTAC-50対物狙撃銃
2009年11月にイギリス軍王室騎兵隊の狙撃手、クレイグ・ハリソン軍曹が更新するまで、実戦における超長距離射撃の世界記録は、2002年にカナダ軍のロブ・ファーロング兵長が.50BMG弾を使用する マクミランTAC-50狙撃ライフルで達成した7972フィート(約2430m)であった。
マクミランTAC-50は、アメリカのマクミラン社(正式にはMcMillan Brothers Rifle Company)が開発した単発ボルトアクション式の対物ライフル(Anti Material Lifle)である。
使用弾丸は12.7mm×99mmの.50BMG弾、弾倉のキャパシティは5発。
銃口部分には発射時の強烈な反動を軽減するため巨大なマズルブレーキが装着されいる。
最新のR2モデルではマズルブレーキに加え、取り外し可能なバッドストック部分にR2反動軽減システムと呼ばれるショックアブソーバのような機構が組み込まれ、旧来のA1モデルに比べ90%も反動を軽減させることに成功している。
また、バッドストック部分には可変式のチークピースが装着され、フィッティングの向上が図られている。
単発ボルトアクションの機関部はシンプル且つ堅牢なため、軍や法執行機関からの信頼も厚く、ファーロング軍曹のカナダ軍ではRSW(Long Range Sniper Weapon)として「C15」の名称で、米国海軍特殊部隊NAVY SEALsも「Mk.15」という名称でそれぞれ正式採用している。
なお、ファーロング曹長が超距離狙撃の世界記録を達成した際に使用した.50BMG弾は、カナダ軍の正式支給品ではなく、アメリカ製だったそうだ。