2012年11月2日金曜日
チューニングの基礎知識 " ブレーキパッド "
ブレーキパッドはブレーキシステムの中でも、その要となる最重要パーツである。
ブレーキパッドはブレーキローターとの間に生じる摩擦により制動力を発生させる。
そのため、ブレーキパッドの選択により、目的に応じた最適な制動力を得ることができるのである。
二昔前までは、ブレーキパッドの材質と言えば安価で耐熱性に優れたアスベストがその主流だったが、アスベストの有害性が指摘されて以降は、コンポジット内部にアスベストを含有しないノンアスベスト系がメインとなっている。
ノンアスベスト系は環境に優しいだけでなく、フェード現象の引き金となるガスの発生も少ないというメリットも併せ持つ。
加えて、メタル系パッドのデメリットであるブレーキローターへの攻撃性も少なく、幅広い温度領域において常に安定した制動力を発揮することが可能だ。
ブレーキパッドは、それがノンアスベスト系であれ、メタル系であれ、使用目的と使用条件に合わせた最適な物を選ぶ事が重要だ。
例えば、ブレーキローターの温度が上がりにくいストリート走行で、ローター温度が高温の時に最高の性能を発揮する耐フェード性の高いレース用パッドを使っても何の意味もないどころか危険ですらある。
ストリー走行メインではローター温度が低い時でも確実に初期制動が立ち上がる制動力重視のブレーキパッドを選ぶべきで、100歩譲っても、多様な走行パターンを想定したラリー用までがリミットだろう。