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2012年11月2日金曜日

カーメンテナンスの基礎知識 " エンジンオイル交換 "


エンジンオイルの交換時期については、その判断に3通りの基準がある。

まず一つめは、カーメーカーが指定している「良好なコンディションでの走行」に当てはまる走行をした場合。これには走行1万あるいは1万5000km毎の交換が適用される。

二つめは、「シビアコンディションでの走行」に当てはまる走行をした場合。

"シビアコンディション"とは、一回の走行時間が15分とか30分といった短時間走行の繰返しや渋滞走行、停止信号の多い市街地走行などの走行条件である。したがって、一般ユーザーの多くはシビアコンディションでの使用範囲に入るだろう。シビアコンディションで使用する場合は、一つめの「良好なコンディションでの走行」の半分くらいの走行距離で交換することが望ましい。

三つめは、モータースポーツでの使用や、通常考えられる過酷な使用をした場合。これは、1回のスポーツ走行毎とか、長くても3000km走行範囲での交換が望ましい。

エンジンオイルは、粘度による分類と、エンジンに加わる過酷度に対する分類がある。粘度区分は「5W-30」といった記号で表示され、過酷さに対する基準は「SJ」「CF」といった2文字のアルファベットで表示されている。過酷度に関する2文字のアルファベットのうち、最初に「S」が表示されているエンジンオイルがガソリンエンジン用で、「C」がディーゼルエンジン用を表している。そして、「S」や「C」の後に並ぶアルファベットが「Z」に近づくほど、より過酷な情況に耐えうるオイルであることを表している。

このほか、エンジンオイルは、基準になっているオイルが鉱物性か化学合成かによる違いもあり、一般的に鉱物油より化学合成油のほうが価格が高く、過酷さに耐えうる傾向にある。

抜き取ったオイルの処理などまで含めると、エンジンオイル交換はショップやデーラーなどに依頼してしまったほうが楽で、費用負担もあまり変わらない。

もし、自分でエンジンオイルを交換する場合は、バキュームポンプの吸口部分をエンジンのオイルレベルゲージ差込口に差し込み、ポンプの吸上げ力によってエンジン内のオイルを抜き取る方法と、エンジンの真下にあるドレーンプラグ(オイル抜取り用のネジ)を外して、古いエンジンオイルを流し出す方法がある。

前者のバキューム方式は古いオイルを十分に抜き出すことができないといわれているが、最近は、バキュームポンプで抜き取ることを考慮して設計されたエンジンも出始めているし、エンジンオイル抜取り用のバキュームポンプはDIYショップなどに出向けば数千円ほどで手軽に購入できる。

オイルパンのドレーンプラグからエンジンオイルを抜く場合は、ジャッキアップをしたうえで"ウマ"を使ってボディを支持しなければ危険なので、一般的には、あまりおすすめできない。