2012年11月2日金曜日
カーメンテナンスの基礎知識 " ハロゲンバブル交換 "
最近のクルマのヘッドライトは省エネで自然光にHIDが主流だが、一昔前のクルマや旧車ではハロゲンランプ装着車はまだまだ多い。
ハロゲンランプは、シールドランプに比べれて格段に明るく視認性に優れ、フィラメントが切れた際のバルブ交換も容易なのが特徴だ。
ヘッドライトのバルブ交換は、フィラメント切れとは別に、ノーマルよりも明るさを増す目的で行われることがある。近頃の各モデルは大半がハロゲンバルブを使用しているが、ノーマル状態でハロゲンバルブを使用しているクルマは、ノーマルよりも光度の大きなハロゲンバルブに交換することで、さらに明るさを増大することが可能だ。また、一般的な白熱バルブを使用しているクルマも、ハロゲンバルブに交換することで明るさを増すことができる。
ハロゲンバルブは白熱バルブよりも明るいが、純正パーツで使用しているバルブのワット(W)数は、白熱バルブもハロゲンバルブも同じである。明るさとワット数の関係は、ハロゲンバルブ同士でも発生する。
一般的にはハイビーム60Wロービーム50Wのヘッドライトバルブが使用されているが、ワット数は60Wで明るさのほうは100W相当というバルブもある。本来ワット数は明るさの単位ではないので "100W相当"というのもおかしな表示だが、"○○W相当"という表示のバルブは、あきらかにノーマルバルブよりも明るい。
また"○○W相当"表示のバルブは発熱量が大きくないため、樹脂製レンズが使われているヘッドライトに使用しても熱でレンズが溶ける心配が少なく、ヒューズを大きな容量にしたり、リレーを組みこんで電気回路を保護したりする必要もない。
ヘッドライトバルブは、レンズと反射鏡が一体になったランプユニットの裏側から、ユニット正面のレンズ側に向かって差し込んだ状態で装着されている。そして、ゼムクリップのように細くて弾力性のあるピンで、バルブをランプユニットに押し付けた状態で固定しており、そのピンとバルブをエンジンルーム側から被うような状態で、ゴム製のカバーが装着されている。
したがって、明るさの強いバルブに交換する目的で現在装着してあるバルブを取り外す場合は、1)バルブ裏側にあるソケットを外す、2)ゴム製のカバーを外す、3)バルブを固定しているピンを外す、4)バルブを外す、という手順になる。
ヘッドライトバルブの周辺にはバッテリーなどが装着されており、バルブの裏側に手が入らないことがある。このようなときは横着をせず、バッテリーなどのパーツを外したほうが結果的には作業時間が短くなることが多い。バルブを固定しているピンの情況が手探りで分かるまでには、少々の経験が必要となるため、左右どちらか、ピンの情況を見ることができる側のバルブから先に作業をすると都合がいい。
ついでに、信号用のバルブは、ソケットとバルブを固定するピンの位置関係やワット数、バルブの色などによっていくつもの種類があり、自己流で色の異なったバルブに交換すると違反になる可能性もあるため、基本的には、ノーマル状態で装着してあるのと同じバルブを使用する。
ネジでレンズが固定されているランプ部分は、装着時にネジを締め過ぎないようにしたい。樹脂製のレンズは、最後の一締めで破損させてしまいやすいため、ネジを回すドライバーの力加減に対する注意が必要である。