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2012年2月10日金曜日

クルマ常識 ウソ・ホント!?「エンジンオイルのグレードの勘違い」


エンジンに注入するエンジンオイルは、"どれくらい過酷なエンジン状態に耐える性能を備えているか" によってグレードが表示されている。

アメリカ石油協会(American Petroleum Institute)・API規格で定めるガソリンエンジン用のオイルとしては、最上級は「SN」というグレードだったが、2010年10月から「SN/RC」という規格が新設された。

RCとは ' Resource Conserving ' の略語で、API SN規格に加え、省燃費性、触媒への適合性(リン分の揮発性を規定)、高温デポジット抑制、エマルション保持性(E85燃料対応)が要求されており、API SN/RCはILSAC GF-5と同じ内容の規格とされている。

さて、エンジンオイルの「上級グレードオイル」は「下級グレードオイル」に比べると値は張る。しかし、グレードの違いによる価格差はそれほど大きくはない。一方、一般ユーザーが1か月で使用するガソリン代の2倍近い価格の「高級オイル」がある。この「高級オイル」と「上級グレードオイル」はイコールだと認識されがちだが、それは正しくない。

エンジンオイルの上級グレード指定を受けるには、驚くほど多くのテスト条件を満たさなければならない。高価格な高級オイルは、上級オイルのグレードテストより多くの条件に耐える性能を持っているはずだが、その性能が一般のエンジンに必要かどうかは定かでない。なぜなら純正として指定されているオイルを指定期間内で交換してさえいれば、10万km、20万km走行したとしても、オイルが原因のトラブルにでくわす心配はほとんどないからだ。

安いオイルを頻繁に交換するのと、高級なオイルを長く使うのと、どちらのほうがエンジンにとって好ましいのかという疑問が湧くこともあるだろう。これは、どちらも正しくない。高級オイルには「高価格だから高性能」というイメージが含まれているはずだが、エンジンオイルは価格で判断するのではなく、まずグレードで判断するべきだ。そして交換時期は、カーメーカーが指定している時期に行うことが原則である。

エンジンオイルのグレードは、それぞれのエンジンとのマッチングを考慮する必要もある。1990年前後からは、排ガスを低減する機能を強化したエンジンが開発されている。このタイプのエンジンに対して1980年代主流だったSGやSFクラスのオイルを使用すると、オイルの劣化が早まり、結果的にエンジンに悪影響を及ぼす可能性がある。

また、オイルには粘度の違うタイプがいくつもあるが、これも基本的に、それぞれのエンジンに指定されているものを使用するべきである。OWなどという低粘度オイルが存在しなかった時代のエンジンにOW-20という低粘度オイルを使用すると、オイル漏れやオイル消費過大などといったトラブルが発生する可能性がある。

旧時代のエンジンオイルは 潤滑のための"機械油"でしかなかった。しかし、今の時代のエンジンオイルは"エンジンパーツの一部"のような存在になっているので、エンジンパーツも規定されたものを使用するのが原則である。








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