2012年2月13日月曜日
クルマ常識 ウソ・ホント!?「パーツ交換の目安は何を基準にする?」
いつもクルマを元気な状態に保つには、適当な時期に適当な部品を交換するとか、必要な時期に必要な部分を調整することだ。
しかし、この、"適当な時期"とか' 必要な時期 ' の判断は、なかなか難しい。まあ、しいて言えば、これまでのクルマとの付き合いのなかで何らかのトラブルに遭遇し、「その原因が、この部品にあったのか!」という経験をもとにすることが、判断の一つの目安になる。
とはいって、一般のユーザーが、そんなに多くのトラブルを経験することはない。また、前回でも触れたことだが、そのパーツが原因で、「いつ、どんなトラブルが発生するのか」を予測することは不可能に近い。そうなると、誰かが言ったり決めたりした' 交換時期の目安 ' というものを信じたくなる。
この、誰かが言ったパーツ交換の目安が、ほぼ100%信用できれば問題はない。だが、これが結構、当てにならないこともある。
例えば、ガソリンエンジンの点火プラグは、2万kmとか3万kmとかが交換の目安だと助言しているプラグメーカーの広告を見ることがある。
たしかに数万km走行したプラグを取り外してみると、電極の部分に少し丸みを帯びていることが少なくない。こんなプラグについての電気的な試験をすれば、もちろん新品時より劣った性能結果が出ることは間違いない。というより、何万kmもの走行をしなくても、ほんのわずかに使用しただけで、新品よりは性能が低下しているに違いない。
ここで問題になるのは、プラグの性能低下そのものではなく、プラグの性能低下度が、どれだけエンジンの性能に悪影響を与える状態になっているかということだ。
エンジン性能の変化は、誰よりもユーザー本人が、もっとも正確にご存知のはずだ。もちろん「動いていればいいや」という感覚でクルマを運転しているのであれば、クルマがエンコして止まった時期がプラグ交換の時期ということになる。でも、まあここでは、そのようなユーザーは除外して、燃費の変化や加速の変化などに関しては、ちょっと気にしているユーザーが対象だ。
そんなわけで、プラグに関しては、ユーザーご本人が「ちょっとエンジンが変調かな?」と感じた時が最適な交換時期。古いプラグを使っていると、有害な排気ガスを撒き散らす心配があるという考え方もあるが、現代のクルマは、そんな状況が発生すれば、触媒が過熱状態になり、エンジンの警告灯が点灯して、ちゃんと知らせてくれるから心配ない。また、日常の運転でクルマの様子を見ていれば、そんな状況に至る前に、自分でキャッチすることができる。
ムダなゴミを出さないためにも、不要なパーツ交換はしないに越したことはない。