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2012年3月27日火曜日

HONDA NSXとアイルトン・セナ

HONDAが世界に誇るスーパーカーNSX(2005年に生産中止)は、世界でも屈指の難コース「ニュルブルクリンク」でその走行性能が磨かれた

ニュルブルクリンクは、ドイツ北西部のケルンから、およそ60km南にあるサーキットで、全長20.8kmにも及ぶ北コースと、全長5.1kmの南コースを有している。

通常、操安の開発・テストは北コースは行われる。北コースは、「ノルドシュライフェ」あるいは「オールドコース」とも呼ばれており、森の中の古城「ニュルブルク城」をサーキットが取り囲むようにレイアウトされている。

北コースには、高速から低速まで172ものコーナー(そのほとんどがブラインド!)があり、高低差約300mもある。その上、サーフェースはラフでダストも積りやすく滑りやすい。また、コース幅も狭く、エスケープゾーンもほとんど無い。信頼できるマシンとドライバーのガッツが無ければ難攻不落の北コースで最速タイムを叩き出す事は不可能だ。

ニュルブルクリンクでの開発テストが最終段階に入ってい1989年の某月某日。開発に参加していた日本人初のF1フル参戦ドライバーにより、ほぼ足回りのセッテイングが煮詰まったため、その最終評価としてアイルトン・セナがNSXのステアリングを握る事となった。

セナは、スタートからNSXを攻めまくり、ニュルのブラインドコーナーへも怯むことなく飛び込んでいった。ゴール地点での計測では、それまでの最速タイムをたたき出した。

ピットにクルマを停めたセナに駆け寄ったHONDAの開発陣に対し、

「ボディの剛性が全く足らない。ラフな路面でのサスペンションの追従性が悪い。接地性が良くない。ジオメトリーを全面的に見直すべきだ。etc.etc」。とセナは一気に改良点を指摘しはじめた。

開発陣は、急遽サーキットの近くに設営された開発拠点に戻り、セナの指摘した通りジオメトリーを見直し、スプリングレートやショックアブソーバーの減衰力の変更を行った。さらに、特殊なアルミ溶接機を使用して突貫でモノコックボディのスポット溶接増しを行い、オールアルミボディの剛性を向上させた。

リセッテイングの終了したNSXは、北コースに運ばれ、再びセナに託された。ゴールを地点を過ぎ、ラップタイムが発表されると、HONDAの開発陣にどよめきが起きた。それは、非公式ながら、これまでのベストタイムをはるかに上回る驚異的なタイムだった。

この事実を知る業界人は意外に少ないww。












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