プーリア州は長靴の形をしたイタリアの踵の部分に位置する。
地中海に突き出しアドリア海にも面していることから、ギリシアやアラブなどの人種が入り混ざり独特の文化を生み出してきた地域だ。
この地域にワイン造りが持ち込まれたのは古代フェニキア人の時代に遡り、紀元前14世紀あるいはそれ以前とされいる。本格的にブドウの栽培が広まるのは紀元前8世紀頃と言われており、この州を代表するネーグロ・アマーロが入ってきたのもちょうど同時期である。
ワイン生産地は靴の踵部分の南の地方と、そこから北の地方と2つに大きく分けられる。その中でも南の地域は暑いサレント半島で、サリーチェ・サレンティーノやプリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア等、高品質ワインの原料となるブドウを栽培している。北方は州都バーリ近くの海岸沿いの地方で、気候は温暖で乾燥しているが、内陸へ入るほど涼しくなり、カステル・デル・モンテなどの名醸ワインを造っている。
プーリア州のワイン生産量はヴェネトに次ぐ国内第二位。 イタリアのワイン法によるDOC(Denominazione di Origine Controllata=統制原産地呼称ワイン)は、プーリア全体を示す「アレアティコ・ディ・プーリア」、「アレーツィオ」、「ブリンディシ」、「カッチェ・ミッテ・ディ・ルチェーラ」、「カステル・デル・モンテ」、「コペルティーノ」、「ジェラティーナ」「ジョイア・デル・コッレ」、「グラヴィーナ」、「レヴェラーノ」、「リッツァーノ」、「ロコロトンド」、「マルティーナ 又は、マルティーナ・フランカ」、「マティーノ」、「モスカート・ディ・トラーニ」、「ナルド」、「オルタ・ノーヴァ」、「オストゥーニ」、「プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア」、「ロッソ・バルレッタ」、「ロッソ・カノーザ」、「ロッソ・ディ・チェリニョーラ」、「サリチェ・サレンティーノ」、「サン・セヴェーロ」、「スクィンツァーノ」の計25。
今回はその中の一つであるCopertino(コペルティーノ)のリゼルヴァ、その名も " COPERTINO Riserva 2007(コペルティーノ・ リゼルヴァ 2007) " を紹介しよう。
このワインはDOC等級よりさらに上位なリゼルヴァのロッソ(赤)で、プーリアを代表する葡萄であるネグロ・アマーロとマルヴァジア・ネーラをそれぞれ85%と15%の割合で使用している。
ネグロ・アマーロは黒ブドウ品種で、ギリシャのイオニア地域を由来とするとされている。ブドウのほとんど黒に近いような色と、できるワインのほろ苦さが特徴だ。プーリア州で広く栽培されているが、特にレッチェ、ブリンディシ、ターラント県での栽培が盛んである。イタリア国内で6番目によく栽培されている黒ブドウ品種である。
ロッソ・リゼルヴの法定熟成期間は24ヶ月以上だが、このワインはオーク樽12ヶ月熟成の後、さらに瓶内で24ヶ月以上を経てリリースされる。
カラーはネグロ・アマーロらしい深いルビー色で、開栓直後のファーストノートはスグリや熟成したプルーンを彷彿とさせる。口に含むと心地良い苦味と共に爽やかな酸味を感じる。そのバランスが絶妙なため、全体に口当たりのより仕上がりとなっているのが特徴。アロマも芳醇で、プルーン、ナツメグの香りとともに、ペパーやセージといったスパイスの香りも感じる。
ボディがしっかりしたこのワインには鴨などのジビエ料理、ステーキ、豚の角煮、それにペコリーノやミモレット、ゴルゴンゾーラ等の濃厚なチーズなどが抜群に合う。
世界的なワイン評論家のヒュー・ジョンソン氏やバートン・アンダースン氏もダブルスターをつける逸品。
プーリアワインの真髄を見るようなこのワインをぜひお試しあれ。
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