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2011年10月23日日曜日

チューニングの基礎知識 「ロールバー・ロールケージ」


「ロールケージ」と「ロールバー」を厳密に分類することはできない。しかし一般的には、オープンのスポーツカーに装着する転倒時の危険予防用パイプがロールバー、本格的なモータースポーツ用車両の室内に組み込むのがロールケージ、ということになるだろう。

ファッション的な意味合いもある2ポイントなどのロールバーを装着すると、それなりにボディ剛性アップへの期待もできる。しかし、4ポイント以上の支点を備えたロールケージが発揮する本格的な機能には、とても及ばない。ロールケージは、いってみればシャシーの一部のようなもの。室内に装着したロールケージは、フロアを中心にしたボディの基本構造物を接続する柱のような構造になる。

もちろん、安全面についての考慮も十分に行われ、ルーフからインパネ、フロントピラー部分まで被うパイプと、ドライバーのサイド部分をガードするパイプなどを組み合わせるなど、モータースポーツ用パーツを開発する各メーカーが、経験と技術を傾注している。

ロールケージを装着する基本的な目的は、ボディに衝撃が加わったときのドライバーの身体保護。それと同時に、ロールケージを装着したボディは、究極の強化ボディに変身する。したがって、サスペンションもステアリングもブレーキも、それぞれの機構が、それぞれの性能を発揮できる車両に生まれ変わる。

ロールケージは、一見すると室内に組み込まれたパイプの集合体だが、本格的なモータースポーツに出場する車両に組み込むロールケージは、モータースポーツに関する規定に合格したものでなければならない。

この規定には、パイプとして使用する金属の具体的な材料名や、パイプの肉厚、パイプの接続方法やボディとの接続方法などが、数多く記載されている。

そして、この規定は、年とともに変更されることがあるので、その内容を理解するのはなかなか難しい。そのようなことも含め、もし本格的なモータースポーツに出場するのであれば、室内への組込みはオーナー自身が行うとしても、ロールケージ本体は、信頼できるショップで開発されたものを使用したほうが無難である。

ロールケージを装着した車両は、改造車検を受けなければならないなど一時期は難しい問題もあったが、今は簡単な申請をするだけで車検に合格するようになっている。