ブッシュは、サスペンション系統のパーツの接続部分に組み込まれており、人間の体でいえば関節のような役割をしている。
ノーマルタイプのブッシュは、ゴムの柔軟性を利用したタイプが大半だが、スタビライザー部分に、接続部分がガッチリしたボールジョイント（ピロボール）を使用しているクルマも見られる。
ブッシュ部分は、柔軟性が高いほどサスペンションからボディに伝わるショックが吸収され柔らかくなる。だが、ゴムブッシュが備えている柔軟性は、サスペンションとボディが一体して動く情況を、ドライバーが把握しにくくなる要因にもなる。
"クルマの挙動を把握する"という点で選択するなら、究極のブッシュはボールジョイントということになる。しかし、ボールジョイントで組み上げたサスペンションは、ロボットの動きのように、まったく柔軟性に欠けたものになってしまう。そこで、やや柔軟性を確保しつつ軟弱な作動を排除するのが、通常のゴムブッシュよりも硬い材質のゴムや硬化ゴムに似た材料を使用した強化ブッシュである。
サスペンションのブッシュは、サスペンションアームとシャフトが組み合わさっている部分などに対して圧入されている。ここで使用しているノーマルブッシュをサスペンションアームから抜き取るのはそう簡単ではない。
実際の方法としては、ブッシュをカッターでカットしてしまうとか、金属製の筒と組み合わせてあるブッシュの場合は金属の筒部分を金属鋸でカットするといった方法で旧ブッシュを抜き取ることもある。
サスペンションのブッシュ交換に慣れたショップでは、それぞれのクルマに対応したアダプターを用意しており、これを使用して油圧プレスでブッシュを抜き取ることもある。
しかし、一般ユーザーが自分でブッシュ交換をするのは、かなりの難作業。もし、自分でブッシュ交換をするのであれば、ブッシュを組み込むアームやシャフトなどの新品パーツを購入すれば比較的楽にできる。
サスペンションのブッシュは、古いブッシュを抜き取ろうとすると苦労するが、新品のブッシュを新品のアームにセットするのは、それほど困難な作業ではない。
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