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2012年6月6日水曜日

チューニングの基礎知識 「ショックアブソーバー」


サスペンションに接続されたタイヤが路面からの衝撃を受けると、スプリングがたわみ状態になってボディに伝わる衝撃を緩和する。

だが、スプリングが標準状態に戻るまでには若干の時間を要するので、その間、ボディが上下を繰り返す。ここで発生している振動をできるだけ早く吸収し、スプリングの動きを停止状態にするのがショックアブソーバーの役目である。

ショックアブソーバーは、オイルの抵抗を利用することで減衰作用を行うが、ドカルボン式ショックアブソーバーは、ショックアブソーバーケースの下側部分にガス室を設けて窒素ガスを封入し、作動オイルに一定の圧力を加えることによって、オイルの泡立ちを防ぎ、減衰力の安定化を図る構造になっている。

ショックアブソーバーが吸収したエネルギーは熱として放散されるため、ショックアブソーバーケースは放熱性のよさが必要だ。ショックアブソーバーのタイプとしてはケース部分が二重構造の複筒式もあるが、放熱がよく、熱による減衰力変化が少ないという点からすると、単筒式は有利。

ショックアブソーバーの減衰力は、0.3m/secのkgとして表示され、伸び側60%に対して縮み側40%ほどから、伸び側80%に対して縮み側20%程度の減衰力関係として設定されている。

実際の数値としては、同じFR車でありながら、伸び側53kg対縮み側22%のフロントショックアブソーバーと、伸び側66kg対縮み側33kgの組合せや、伸び側95kg対縮み側35kgのフロントと、伸び側70kg対縮み側30kgの組合せなど、数値的なショックアブソーバーの組合せについては、かなり大きな幅がある。

ショックアブソーバーの減衰力が小さすぎるとタイヤが飛び跳ねて接地性が悪くなる傾向が発生し、ショックアブソーバーの減衰力が大きすぎると、乗り心地が悪くなりやすい。

純正以外のサスペンションスプリングの使用が認められていなかった一時期は、サスペンションの特性をコントロールするためのパーツとしてショックアブソーバーだけに頼らざるを得なかった。

しかし、現在は、ショックアブソーバーもコイルスプリングも自由に選択して装着できるようになっているため、ショックアブソーバーとスプリングを一体にして設定したキットを組み込むことが一般的となっている。









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