ヘビースノーコンディションでの戦いとなった1980年の第48回モンテカルロラリーで、1960年のメルセデス・ベンツ以来、FR(後輪駆動)車として実に20年振りに優勝を飾ったマシン、それがフィアット131アバルトラリーである。
モータースポーツへの長い参戦歴を持つフィアットにとっても、この時がモンテカルロラリー初制覇となった。
フィアット131アバルトラリーは、WRC参戦のため、当時のGr.4規定に合わせて製造したホモロゲーションモデルである。
太いタイヤを履かせるために装着された大型のオーバーフェンダーにより、なんの変哲もなかった2ドアファミリーセダンの131ミラフィオーリは、迫力溢れるボディフォルムへと変貌を遂げた。
また、車体の大部分にはグラスファイバーが採用され、車両重量が975kgまで軽量化が図られた。
ランチャから供給された4気筒 1995cc DOHC 16バルブエンジンは、キャブレーター仕様が140ps/6400rpm、クーゲルフィッシャー製の機械式燃料噴射装置を装着した仕様が215ps/7000rpmのパフォーマンスをそれぞれ発揮した。
さらに、ベースカーでは5リンク式リジッドだったリヤサスペンションも変更され、前後ともマクファーソン・ストラットの4輪独立懸架となった。
1980年の初戦モンテカルロラリーに、フィアットチームは計5台の131アバルトラリーを送り込んだ。
ラリー序盤、エースのマルク・アレン組がトップに立ったものの、アクシデントにより早々にリタイアとなる。
その後を受け、トップに立ったのはワルター・ロールとクリスチャン・ゲイストドルファー組だった。
ロール/ゲイストドルファー組のフィアット131アバルトラリーは、圧倒的な速さと安定した走りでトップをキープ、そのまま栄光のゴールを果たした。
以前一度、オッティモ・コンディチーネ(最上級のコンディション)のフィアット131アバルトラリー・ストラダーレのステアリングを握る機会があったが、エンジンのフィーリングは、なぜかPF60型ジェミニZZに搭載されたG180WE型エンジンに似ていた。さらに、そのハンドリングも近かった。要は、典型的なFR車のそれと、典型的な4気筒DOHCエンジンのそれである。
スモールカーにビッグエンジン、どアンダー、まさにホモロゲーションモデルの典型であった。
速く走るにはドライバーのスキルが不可欠、ねじ伏せる楽しみをドライバーに与えてくれる最高のマシンである。
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