2012年7月11日水曜日
エンジンチューニングの基礎知識 「ポート研磨」
エンジンをパワーアップさせるためには大量の空気と燃料が必要だ。
これはターボエンジンでも自然吸気エンジンでも基本的には同じ。
大量お空気をスムーズに取り入れるには吸気系チューニングが不可欠となる。
その代表的なものが " ポート研磨 " である。
吸気ポートの内面研磨はパワーアップに大きな影響を及ぼす。
なぜなら、ポートの内面に突起物があると、ガスが流れる際に抵抗となって吸気効率が低下するからだ。
そこで吸気ポートの内面を鏡のように磨き上げ、完全な平滑状態にすることで混合気のスムーズな流れを促進してやるわけだ。
しかし反面、ポート内の程よい粗さは低回転域での燃焼を促進させるという事実もある。
そのため、ポート研磨はポートの形状や太さを変更した後の仕上げ作業と考えればよい。
研磨のレベルも、エンジンのチューニング状況と使用目的に合わせて調整すればよい。
ノーマルポートを加工する場合の基本的な考え方としては、ポートの曲がりを極力直線に近づけるということだ。
これはガスが流れる際の抵抗を減少させることが目的である。
また、ポートの大きさはバルブの直径と同じか、あるいは若干細めにすると全回転域で平均したチューニングメリットが得られる。
ノーマルポートの研磨とは別に、オーバーサイズのバルブを組み込んだ場合には物理的なポートの拡大が必要となる。
この場合には、新たに使用するバルブの大きさに合わせながら、ポート全体が直線的になるように形を整える。
ポートを加工する際の基本として挙げられるのが、シリンダーヘッド側面のマニホールドと接する部分の段付き加工である。
この部分は時として2~3mmもの段付きが生じていることもあり、それがスムーズな吸気の妨げになっているケースも数多く見受けられる。
チューニングの手始めとして、まず最初に削りとっておきたい部分である。