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2012年7月2日月曜日

エンジンチューニングの基礎知識 「ターボチャージャーの大型化とそれに伴う燃料増量」


自動車用の過給器として最も一般的に普及しているのがターボチャージャーである。

ターボチャージャーは、排気ガスの出口であるエキゾーストマニホールドと直接組み合わされるタービンハウジング、過給圧を作り出すコンプレッサーハウジング、そしてその中間に位置するセンターハウジングにより構成されている。

タービンホイールとコンプレッサーホイールは同軸上に配置されており、タービンシャフトが回転すると同時にコンプレッサーホイール回転し、空気を圧縮してエンジンに送り込む。

一般的に、コンプレッサーホイールが大きいほど送り込む空気の量は多くなる。

ターボチャージャーの大型化は、そのために有効なチューニングである。

しかし、闇雲にターボチャージャーを大型化すると、タービンホイールの慣性モーメントが増加するため、排気ガスの流速が遅い低回転域での過給レスポンスを悪化させてしまうといった弊害も発生する。

そういったトラブルを避けるためにも、交換の際にはエンジンの排気量やチューニングのレベルをよく見極め、現状にマッチしたものを選択することが必要だ。

安易な大型化は、過渡特性の悪い、ピーキーなエンジンを作り出す危険性もあるので、充分な注意が必要である。

また、大型化だけでなく、タービンホイール形状を変えることによってもパワー特性やレスポンスは大きく変わる。

ターボチャージャーを大型化してエンジン内部に送り込む空気量を増加させた場合、それに伴い燃焼室内部に送り込む燃料の量も増加させてやる必要がある。

これを怠っててはターボチャージャーを大型化した意味がない。

燃料を増量するためには幾つかの方法があるが、最も一般的なのがFコンと呼ばれる燃料制御用コンピューターの増設である。

このコンピューターは別名 " サブコン(サブコンピューター) " とも呼ばれ、エンジン本体をコントロールしているコンピューターの補助的な役割を果たす。

エンジン本体を制御しているメインコンピューターでも搭載されているROMのデータを書き換えることである程度の燃料増量は可能だが、Fコンを使用した方がより細かい設定が可能であり、チューニングの変更に合わせてマメな微調整ができるので便利だ。

しかし、ノーマルよりもかなり大型のターボチャージャーに交換した場合にはFコンによる燃料補正だけでは対応できない場合もある。

その場合には、インジェクターをより吐出量の大きいものに交換してやる必要がある。

さらに、それでも燃料の供給が不足するようなら、メインインジェクターに加えサブインジェクターを増設することで対応する。

もちろん、これはかなりのヘビーチューンの場合であって、通常のブーストアップやタービン交換レベルではここまでのチューニングが必要なケースはレアだろう。

燃料の増量は飽くまでもエンジンの状況を見ながら、慎重に行うことが肝要だ。









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