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2011年7月12日火曜日

Hevia ' Busindre Reel ' & ' Tanzila '


スペインのバグパイプ奏者・Hevia(エヴィア)である。

バグパイプと言えばスコットランドやアイルランドのケルト文化を思い浮かべるが、古代ケルト文明はヨーロッパ各地(正確には世界全土)に拡散し、多様な国家・民族の文明に大きな影響を与えている。

スペインのケルト文化は中東やアフリカ圏の文化と混じり合い独自の発展を遂げた。その代表的な例がヒターノ(スペインジプシー)をルーツとするフラメンコである。

さて、1998年にリリースされたHeviaのファーストアルバム「Tierra De Nadie(邦題は ' 誰のものでもない世界 ' )」に収録された「Busindre Reel」は、アイリッシュケルト伝統のリズムラインを踏襲しつつも、どこかエスニックな雰囲気が漂う摩訶不思議なナンバーである。

そして「Tanzila」、これぞまさにHeviaの真骨頂である。バグパイプから流れいずるメロディの奔流は、躍動感溢れるパーカッションのリズムに乗り砂漠を漂う。あたかも砂漠の蜃気楼(ミラージュ)の如く。

静かに目を閉じて耳を傾けていると、心の奥底から湧きあがる太古の血脈(ルジラ)を感じる。

その躍動するリズムは大地の鼓動、風のように流れるメロディはシャーマン(巫女)の呪文。

魂の癒しと救済を求める時、この甘美なる律動に身を委ねよう。