2011年秋のフランクフルトモーターショーでコンセプト・モデル「C-X16」としてその姿を現したジャガーのニューモデルは、その一年後の2012年9月に開催されたパリオートサロンにおいて、Fタイプとして正式にヴェイルアウトされた。
Fタイプは往年の名車Eタイプの後継車に位置づけられるモデルで、「ハートライン」と呼ばれる有機的でグラマラスなボディラインが印象的なオープンスポーツカーである。
エンジンは出力特性が異なる2タイプの3.0リッターV型6気筒と、5.0リッターV型8気筒の3種類がラインナップされ、いずれも直噴ガソリン・エンジンで、スーパーチャージャーによる過給付きパワーユニットである。
シャシーは「現在最も軽量で剛性が高い構造」を採用したというアルミニウム製モノコックで、前後のダブルウィッシュボーンのサスペンションまでもがオール・アルミ製という徹底ぶり。その結果、Ｆタイプの車両重量は1597kg（ベーシック・グレード）に抑えられている。さらに、重量物の多くを可能な限りホイールベース内に収められることにより、運動性能と操縦安定性を向上させている。
そんな鳴り物入りで登場したFタイプだが、ジャガーは昨年12月、ビッグマーケットである米国での発売のタイミングに合わせ、豪華キャストによるプロモーション用ショートムービー「Desire」を制作すると発表した。
制作は巨匠リドリー・スコット監督率いるプロダクションRSA（リドリー・スコット・アソシエーツ）で、主演は米国で大ヒットしている話題のサスペンスドラマ「HOMELAND」に出演し、エミー賞主演男優賞に輝いたイギリス人俳優、ダミアン・ルイスを起用する。
内容は、ダミアン・ルイス扮する納車業者クラークが、高級車を届けるため指定場所へと向かうが、謎の美女に遭遇したり、様々なトラブルに巻き込まれていくというもの。
ロケは南米チリのアタカマ砂漠で行われ、Fタイプの優れた動力性や運動性能が遺憾なく発揮された派手なカーアクションが展開される。
音楽はシンガー・ソングライター、ラナ・デル・レイが担当するという豪華版。
リドリー・スコットは、過去にもBMWのプロモーション用ショートムービーシリーズである「The Hire」の制作も手掛けているだけに、その仕上がりが大いに期待される。
その最新版のトレーラーが公開されたので紹介しよう。
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