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2010年11月4日木曜日

E30型BMW M3 On Borad in Tour de Corse '92

地中海に浮かぶ風光明媚な島。フランス領コルシカ島。

ナポレオンの生誕地として余りにも有名なこの島の静寂は、年に一度ラリーカーのエグゾーストノートにより破られる。

荒れて波打つサーフェイス、狭くツウィスティなコースが特徴的なツール・ド・コルスは、1956年から開催されてきた歴史と伝統のイベントである。

「一万のコーナーを持つ」とも言われるほどの難コースは、まさに ' ターマック・インフェルノ ' !

一瞬の判断ミス、マシントラブルが重大事故につながる危険なラリーである。

事実、Gr.Bラリーカーのパワー戦争が頂点に達した1985年、ランチャ037を駆るイタリア・ランチャチームのエースドライバー、アッティリオ・ベッテガが立木に衝突して死亡、その翌年の1986年には同じくランチャチームの若きエース、ヘンリ・トイボネンがレグ2のSS18での全開アタック中にコースオフして崖下に転落、デルタS4は転落途中に爆発炎上し、ドライバー、ナビゲーターの両名が死亡するという重大事故が相次いで発生した。

事態を重く見たFIAは緊急会議を開き、1986年をもってGr.B規定を廃止することを決議。「公道を走るF1マシン」と呼ばれたモンスターマシンの時代はその終焉を迎えた。

さて、これまで幾多の悲劇と数々のドラマを生み出してきたコルシカのSSを、E30型BMW M3 Gr.Aで駆け抜けて行くのはフランスのトップドライバー、パトリック・ベルナルディーニ。

英国のプロドライブが手掛けたロスマンズカラーのE30型BMW M3 Gr.Aは、1987年のツール・ド・コルスを制したフランス人ドライバー、ベルナール・ベガンと同一スペックのマシンである。

パドルシフトを見慣れた現在では、オーソドックスなH型パタンのシフトレバーが逆に新鮮だ(笑)。

SSの後半、遅い前走車(ルノー5)に追いついてしまったベルナルディーニが狭い幅員のコース上で見せる神業的追い越しに要注目!

コルスの醍醐味が凝縮したオンボード映像である。











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