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2010年11月2日火曜日

LSDのメカニズム Part.1 ' LSDとは '


LSDの正式名称はリミテッド・スリップ・ディファレンシャルである。日本語で言えば「差動制限装置」となる。

LSDは元来、戦闘用車両の不整地での走破性を高めるために考案された装置であり、その起源は第一次世界大戦にまで遡る。

ノーマルのディファレンシャル機構を「オープンタイプのデフ」と呼ぶが、このディファレンシャル機構自体は非常に優れた装置である。

例えば車両の旋回時、左右の駆動輪の回転半径が異なるために回転差が生じる。その際、もし左右のタイヤが直結されていれば回転差によりブレーキング現象が発生してスムーズに旋回することができなくなる。そこでいくつかのピニオンギヤを組み合わせ、左右のタイヤの回転数に差を持たせるためのメカニズムとして考え出されたのがディファレンシャルなのである。

ところが、この素晴らしいメカニズムにも欠点がある。

ディファレンシャルはその機構上、片輪が浮き上がって空転し始めると、接地している片輪に駆動力が伝わらなくなってしまうのだ。例えば片輪が溝にハマったり、もしくは滑りやすい路面に乗ってしまった場合、そちらのタイヤだけが空しく空転して前進するための駆動力が失われてしまう。

そこで考え出されたのがLSDだ。これは片輪が空転しても、もう片方のタイヤに駆動力を伝達することで悪路での走破性を高めようという機構で、ディファレンシャル機構本来の目的である「差動」を制限することにより駆動力を確保する仕組みだ。

またLSDは乗用車で速く走ろうとする際にも大きな武器になる。

ハードなコーナリングなどでイン側のタイヤがリフトして空転を始めると、路面に接地しているアウト側のタイヤに駆動力が伝達されるため、車速を落とすことなく高いスピードでコーナリングすることが可能となるのだ。

最も一般的なフリクションタイプの機械式LSDは、通常のオープンタイプのデフ内部の左右に滑り止めとなるクラッチプレートを組み込んだもので、片輪が空転しようとした際にその駆動力がクラッチプレートを介してもう片輪にも駆動を伝えるような仕組みになっている。











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