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2010年11月8日月曜日

サスペンションセッテイングの基礎知識 Part.2

スプリングこそサスペンションの要

サスペンションには様々なレイアウトがあるが、基本的にはスプリング、ショックアブソーバー、各種アーム類、スタビライザー、ブッシュなどにより構成されている。これらのパーツが有機的に連係することで、サスペンションは機能している。

サスペンション構成パーツのなかでも特に重要な役割を担っているのがスプリングである。

スプリングは、クルマの車重を支える受動的な役割と、加減速時の前後姿勢変化やコーナリング時のロールバランスを制御するといった能動的な役割とを担っている。

スプリングには縮むと元に戻ろうとする(伸びようとする)基本特性がある。荷重が弱ければ伸びようとし、その逆に強い荷重がかかった場合には縮む、この基本特性により路面の凹凸に対する追従性が生まれるのだ。

一般的に、スプリングが硬い場合には縮んでから元に戻るまでの時間が早くなる。その結果、能動的な面では旋回時のロール量の減少、加減速時でのリヤのスコート及びフロントダイブの減少などのメリットが生じる。また、受動的な面では、路面からの大きな衝撃も吸収することが可能となる。

スプリングのバネレートは、受動的な面では車両重量とその前後バランス、そして能動的な面では発生するGが一応の目安となる。

発生するGはタイヤのグリップ性能により変換する。例えば、ハイグリップタイヤを履いてミューの高い路面を走行するような場合には高いバネレートのスプリングが必要となってくる。

これは、旋回時に発生するGが高いためにロールが深くなり、その収束時間が長くなることに対応するためだ。一般的に、自己発生Gが高くなればなるほど高いバネレートを持ったスプリングが必要となる。