2010年10月7日木曜日
白熱 デッドヒート
この映画の原作は素晴らしい。
原作者の田中光二はSFをメインジャンルとする作家だが、自身が無類のクルマ好きということもあり、クルマを題材した冒険小説を数多く執筆している。
この作品は、その中の一冊「白熱 デッドヒート」を1977年に東宝が映画化したものだ。
映画の脚本は原作から大幅に書き換えられているので、下記に「原作」の粗筋を記す。
『ガソリンスタンドの店員として働きながらクルマにその青春のすべてを注ぎ込む主人公・新城卓は、自ら手を加えたチェリーX1-Rで夜な夜なシグナルグランプリに興じる街道レーサーである。
ある晩、恋人の沙智を助手席に乗せ、バイパスを流していた卓は、眩いばからゴールドメタリックのケンメリ・スカイラインGT(ファントム)に遭遇する。日頃から金持ちのボンボンや特権階級のアホどもに虐げられている卓は、その趣味の悪いケンメリGTにシグナルグランプリを仕掛けるが、その圧倒的な動力性(かなりのチューンドマシン)の差に完敗する。
それから数日後、敗北を喫して以来ゴールドのケンメリのことが頭から離れない卓の人生が激変する。数週間前に常連の金持ちバカ息子が卓に「これでクルマでも買いな」と嘲るように投げ捨てていった宝くじが当選し、一等賞金の1000万円が転がりこんだのである。
早速仕事を辞め、恋人の沙智に手切れ金300万円を手渡した卓は、HKS製ボルトオンターボで武装したRA22型セリカGT LB(新車で購入)に乗り込み、かつての雪辱を晴らすべく黄金のケンメリスカGを求め、あてのない旅に出る』。
と、いうのが大筋のストーリーだが、作者がクルマに対し造詣が深いこともあり、文中に盛り込まれる70年代走り屋カルチャーの描写は半端なく濃い。
主人公の卓が乗りセリカターボは夢の「DOHC・ターボ」エンジン搭載車であり、当時は走り屋のすべてが憧れた究極のドリームマシンであった。
宝くじの当選金というあぶく銭を自らの野望実現のために何の躊躇いもなく投資する卓の姿に、一途で純粋だった当時の走り屋の姿がオーバーラップする。
さて、翻って映画の方がというと・・・・・正直、痛い(笑)。
そもそも主役の江藤潤がミスキャストである。卓のイメージはやはりリーゼント、いくらなんでもイガグリ頭の江藤潤はないっしょ(爆)。しかもBadなムード全然なし! パンツもトランクス穿いてそう(爆)。
謎のクルマファントムのドライバー役の沖雅也はGood! 基本的にイケメンには寛大である(爆)。
卓の恋人・沙智役の古手川祐子、いかにもデビューしたての新人女優っていう感じがGood!
ほっぺたなんかパンパンである(爆)。やはり女性は健康美が一番。女房元気で家事励む、っちゅう感じ(爆爆)
そして、旅先で卓と出会う女子大生風の女役の風吹ジュン、これもたま個人的好みでGood!(自爆)。やっぱアンニュで小悪魔的なムードがいいな~。金かかりそう、っちゅう感じ(爆)。
他にも、ファントムの重要な手掛かりとなる鼻っ柱の強い女子大生役として友情出演(誰のやねん?)している秋野暢子とか、退職金でRX3サバンナGT買って日本中を放浪しているわけのわからんオッサン役の長門裕之とか、個性ある面子も出演している。
江藤潤を除けばなかなかの俳優陣、そしてそこそこの青春ロードムービーと言えよう。
と、いうことは江藤潤がA級戦犯か???(爆)。
ともかく、映画はともかく、一度原作を読んでみるべし!
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