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2010年9月19日日曜日

西部警察・マシンXと日産HGC211型スカイラインGT-ESターボ


HGC211型スカイラインGT-ESターボである。ターボである、たーぼ、TURBO!!!

恐らく、ある特定の年齢層以外の方には、なぜこんなにも「ターボ」で興奮しているのか全く理解できないであろう。

国産初のターボエンジン搭載車となった430型セドリック・グロリアでターボ時代の扉を開いた日産が、フラッグシップカーであるスカイラインにその心臓を移植したのは昭和55年、1980年の事だった。

昭和52年にフルモデルチェンジした5代目スカイラインは、その名をスカイラインJAPANと称し、ファンからは「ジャパン」の愛称で呼称された。

当時は、厳しい53年排気ガス規制の真っ只中。日産は独自の排気ガス浄化技術NAPSでこれに対応したが、エンジンのパフォーマンスを維持する事は困難で、パワーダウンを余儀なくされた。

それに加え、車体の大型化による車重増加が重なり、スカイランのメインコンセプトである「走り」のイメージからは遠く離れつつあった。

そうしたスカイラインの凋落に対し、トヨタは同時期のCMにおいて「名ばかりのGT達は道をあける」という嘲笑とも挑発とも受け取れるコピーで日産を揶揄した。

当時、トヨタはツインカムエンジンという強力なキラーユニットがあったが、日産は、旧来のSOHCエンジンのみしか持ち合わせていなかった。

日産は、その打開策として既存エンジンにターボチャージャーを装着し、排気ガス規制により低下したパワーを復活させるという戦術に出た。これは、現日産自動車社長のカルロス・ゴーン氏が提唱した再建案「日産ル・ネサンス・プロジェクト」よりも画期的且つ刺激的なものであった。

かくして、ツインカムのトヨタに対してターボの日産という対立イメージが確立した。

そんな中、日産が推し進めるターボ戦略の強力な追い風になったのが、当時日産がスポンサーになっていた超人気テレビドラマシリーズ「西部警察」である。

西部警察に関しては、ご同輩の皆様には、改めて解説する必要はないと思う。

石原裕次郎自ら製作の陣頭指揮を執り、主演の渡哲也を筆頭に石原軍団が総出演する西部警察は、派手なカーアクションや銃撃戦、大規模な爆破シーンが話題を呼び絶大な人気を誇っていた。

その劇中、渡哲也率いる大門軍団の秘密兵器として登場するのが、日産HGC211型スカイラインGT-ESターボをベースに、超高速パトカーとして改造されたスペシャルマシン、その名も「マシンX」である。もう、書いていて鳥肌が立つ(笑)。

1980年8月24日の西部警察第45話で初登場したマシンXは、マーキュリー クーガーで銀行強盗を繰り返す強盗団と東名高速で大バトルを演じ、日本全国のクルマ好きに衝撃を与えた。