2011年6月2日木曜日
ヒール&トー
ヒール・アンド・トーとは、ブレーキングとシフトダウンを同時に行う操作である。
ヒール・アンド・トーは、コーナリングアプローチ直前に行う操作で、操作の主体はあくまでもブレーキングである。
右ハンドル車のマニュアル車で、ヒール・アンド・トーで4速から3速にシフトダウンする場合の例で説明しよう。
まずはブレーキング。右足でブレーキペダルを踏み減速を開始する。
次に、左足でクラッチペダルを踏み込み、同時に左手でシフトレバーを操作してギアポジションを4速から一旦ニュートラルに移動する。
その状態でブレーキペダルを踏んでいる右足を捻り、踵でアクセルペダルを踏み込んでエンジンの回転を上昇させ、左手でシフトレバーを操作してギヤポジションをニュートラル位置から3速へと移動させ、クラッチペダルを踏んでいた左足を戻し、クラッチを繋いで完了となる。
言葉で書くと長いが、一連の作業を最長でも1秒以内完了させなければならない。
操作中ブレーキペダルの踏力が変わらない事、そしてクラッチ操作とシフト操作との連携がスムーズである事がヒール・アンド・トーを成功させる秘訣である。
シフトダウンの際にエンジンの回転を上昇させる理由は、トランスミッションの駆動軸側のギアの回転数とクラッチプレート側(エンジン側)のギアの回転数を合わせるためだ。その際のエンジン回転数は、クラッチを繋ぐ時の回転数により異なる。
一般的に、やや高めの回転数の方が安全マージンが高く繋いだ時のショックも少ない。